2020/08/22 00:16

◾️R-eマスクが何故生まれたか


R-e株式会社は、少子高齢化が世界で先駆けて進む日本において益々深刻になる働き手不足に貢献したい、ということからスタートした会社です。’生き生きと長く働く’ことができるようなアイテムやシステムを開発することを目指したビジネスモデルを掲げています。

昨年夏頃から、ある介護事業者さんから依頼を受け被介護者向けの衣服を製作・開発しています。その中で「汚れやすい部分に抗菌素材を使いたい」と考え、抗菌性のある生地や糸を探していました。できればあまりこの世に出ていない素材を探しました。

そして出会ったのが札幌に本社を置く寿産業(株)のクレピアファイバーです。これはニッケルのメッキを特許製法で超微粒子にしたものを練りこんだ繊維になります。ニッケルのメッキ自体には多くの菌や抗カビ、抗ウィルス、防藻性が確認されており、30種類以上の菌、5種類のカビ、3種類の藻、3種類のウィルスに対する不活性化が認められていました(’牛’コロナウィルスの不活性化も)。

検査機関の検査対象の問題(繊維を対象とするとテストできる菌の数が圧倒的に少なくなってしまいます)で、クレピアファイバーに関しては、’黄色ぶどう球菌’’肺炎かん菌’’MRSA’の3種類の菌に対し抗菌効果があると謳っていますが、実は大きな可能性を秘めている繊維になります。


このクレピアファイバーという大きな可能性を秘めた繊維が、幸いにもあまり世に出ていなかったことから(それには理由がありますが、企業秘密となります)、それを生地にするところから始めました。当社が納得できるレベルの生地になるまで数ヶ月を要しましたが、苦心の末に生地化することができました。今年の4月の初旬になります。

そのサンプル生地を見た時に関係者一同「これはマスクにするべきではないか」と考えました。4月といえば新型コロナウィルス第1波の真っ只中におり、深刻なマスク不足は解消の兆しが少しだけ見えてきていたものの、マスクの転売問題や高値販売など新たな社会問題も起きていました。

何より新型コロナウィルスの猛威は長期化の様相を明らかに呈しており、マスク不足の解消のためだけではなく、高い抗菌性を持ったマスクの需要は益々高くなるだろうと考え、被介護者向けの衣服の開発より優先して抗菌性布マスクの開発を始めました。


4月といえば全国的に緊急事態宣言が発令され、殆どの経済活動が制限される中にありましたが「4月下旬〜5月上旬にはマスクを世に出したい。メディアにリリースしたい」と関係者内で意識共有し、制約だらけの中で開発をスタートしたのでした。   つづく

クレピアファイバーに練り込むニッケル端材が入っている金魚水槽(約1年清掃なし)


何も入っていない通常の水槽